公開講演会「英語訳の力——世界へひらく日本近世文学」
INFORMATION
本講演は、日本近世文学を英語に訳す意義を考慮した上で、グラフィック?ナラティヴに相当する「草双紙」に焦点を絞りつつ、英訳ならびにそれに伴う課題を考察するものである。具体的には、誰が何をどのような媒体を通じてどうのように訳すかという点を考察し、翻訳の孕む難関と翻訳のひらく可能性を論じる。世界文学のカノン(正典)構築とアダプテーションの魅力についても併せて触れる。
講師
ケンブリッジ大学教授
Moretti, Laura(モレッティ、ラウラ) 氏
イタリア、カ?フォスカリ?ヴェネツィア大学ならびに同大学院にて日本近世文学を修める。1999年より2年間、国費にて東京大学に留学、2003年、カ?フォスカリ?ヴェネツィア大学大学院にて博士号(日本研究)を取得。同大学、英国ニューカッスル大学で教鞭を執ったのち、2012年、ケンブリッジ大学エマニュエル?カレッジにフェローならびに専任講師として着任。2017年より准教授、2022年教授、現在に至る。2016-19年、本学文学部客員准教授。専門は、近世日本の大衆文学?文化であり、文学、美術史、文献史、テクスト研究、古文書学を交差する学際的な研究には国際的な定評がある。とりわけ書籍と木版画から双六まで視覚メディアとの関係性を問う研究は、浩瀚なアーカイヴ資料の緻密な精読と大胆な考証に立脚した氏の研究の真骨頂であり、近代に入り希薄化した日本文学のテクスト性と、その魅力を明らかにしている。加えて氏の主宰する、変体仮名等の日本語古書体学夏季講座は、三菱の助成を得て行われる社会連携活動として知られ、世界中の学生?研究者の交流を促している。著書はRecasting the Past: An Early Modern Tales of Ise for Children (Brill, 2016), Pleasure in Profit: Popular Prose in Seventeenth-Century Japan(Columbia UP, 2020)など多数。
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名称
対象者
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- 事前申し込み 不要
- 参加費 無料